今ドラムは様々な年齢・性別問わず人気の楽器です。
このドラムを、これから始めたいと思っても「自分はリズム感が無い」と思ってやらない人も多いようです。
しかしこれは本当に勿体無いことで、このコラムでは私がドラム初心者の数百人を教えてきた経験で、このマインドブロックを外していただければと思います。
そもそも元からリズム感の良い人は滅多にいない!
今までドラムをやりたいけどやらない人で「リズム感が無い」と自分で言ってドラムをやらない理由にしておられる人を過去に何人も見てきました。
しかし、日本人で、優れたドラマーに必要なリズム感というのは基本的に元々は無いと思います、ゼロでは無いかもしれませんが、少なくとも私が今まで会った人で最初からリズム感がとても優れている人というのは会ったことがありません。
つまり「自分はリズム感が無い」と言っている人、これは普通です。
世の中の上手い人もほとんどの人は元々リズム感が優れているわけでは無いので、リズム感の有無は心配せずにドラムをはじめてみましょう。
なぜ日本でリズム感の良い人は少ないのか?
日本人では、ほとんどの人がリズム感の良い人は少ないでしょう。
これは、生まれてからの教育環境でリズムと干渉する機会が少ないからだと言えます。
これを筋力に置き換えて考えてみると、生まれてから育っていく環境で力を使う作業をする子供やスポーツをやる子供がいますが、やらない子供もいます。
この環境の違いで人によって筋力や体力に差が出るのは当然のことです。
いっぽうでリズム感はどうでしょう?子供の頃からリズムに干渉する教育を受ける人は非常に少なく、幼稚園や保育所で歌う歌も「チューリップ」「ぞうさん」など童謡の音楽で、童謡の音楽にはリズム感の概念が限りなく少ないです。
先ほどの筋力の例えでいうところの、ほとんどの子供が力を使わず、運動やスポーツも何もしない状態で育つという状況です、これでは筋力や体力がない人がほとんどで当然ですよね?
このような状態がリズム感においては起っているということです。
現在日本ではリズム感の良い子供が増幅中!?
日本では今、リズム感が良い子が徐々に増えているという説があります、これは正式なデータをとっているわけではありませんが、そういう声が増えているのも事実です。
一つの要因は日本もかなり音楽が身近になっているということです。
YouTubeやスマホなど様々なプラットフォームやデバイス機器により、生の演奏による音楽こそ身近ではないものの、音楽自体は聴く機会は昔に比べ圧倒的に増えているというのは確実で、音楽の成長速度を加速させる一つに「インプット量=どれだけの音楽を聴いてきたか」
というものがあります。
スマホやYouTubeなどが一般化される前は、音楽の主力はCDであったりテレビで流れくる音楽など、音楽の情報源が限られているのですが今はその時代とは非ではないレベルで音楽の情報源がございます。
またもう一つの要因として、数十年前とは違い日本の音楽のリズムは8ビートより16ビートが増えてきました。
昔の歌謡曲や演歌のような曲は、8ビートでありゆっくりした曲が多かったのですが、今は非常にスピード感や細かいリズムの曲が多く、なおかつそう言った曲が身近に聞ける時代になったことも要因です。
学校の授業でダンスが必修になった効果は大きい
2012年から中学校の体育でダンスの授業が必須になったようですが、この効果は少なからずリズム感の向上には繋がっているでしょう。
ダンスの授業というのは、その時間だけダンスするのかもしれませんが、ダンスのスキルを身につけることで授業以外でもダンスをする子は増えたでしょう。
そこにプラスして、現在はSNSによりダンスを投稿する子も増えるでしょう、ダンスはドラムに大事なリズムの要素が共通しておりますので、ダンスをやっているか否かではドラムのスキルに差が出るは明らかです。
学校にダンスが必須になったこと自体は賛否両論ありますが、
ドラムを始めるということにフィーカスすればダンスが必須になったことはプラスであるのは間違いないでしょう。
先天的にリズム感が悪い人は少なからずいます。
今まで数百人の生徒様にドラムを教えてきた経験で、シビアな話ですが明らかにリズム感が悪い人というのは少なからずいます。
ただし、かなり少なく体感値ですが100人に1人ぐらいの割合でした。
誰でも頑張れば・努力すれば報われるというようなことを言いたいところですが、足の速さや計算の速さと同じように違いはあり、中には極端に悪い人もいます。
リズム感が悪いというのはどんな人か、曲のテンポが全く取れない人です。
曲に対して多少速くなったり遅くなったりといったレベルとは次元が違い、全くテンポを捉えることができないのです。
このタイプの人は流石にドラムは厳しいかもしれません。
ドラムが好きな人でリズム感が極端に悪い人は少ない!
ドラムを「やってみたい」or「好き」と思っているかたで上記のように極端にリズム感の悪い人はあまりみたことがありません。
それもそのはずで、そもそもドラムをカッコ良いと思う人というのは、ある程度リズムを感じることができるがゆえにカッコ良いと思ったはずです。
ドラムの動きだけをみてカッコ良いとは思わないでしょう。
花を綺麗だと思う人は色彩感覚はあり、白黒しか見えない人は花を好きにならないのと同様に、リズムが感じれない人はドラムをそもそもカッコ良いと思えないでしょう。
今まで私のところに来た人で先天的に極端にリズム感が無い人、正直かなり厳しい才能だったのですが、本人もドラムがやりたいわけではなく「親に勧められた」「友人とバンドをすることになった」というような本人自身が自発的にドラムをやりたいと思ったわけではないパターンの人にはおられましたが、
経験上、ドラムにカッコイイと思い憧れた人で、リズム感が壊滅的に悪い人は私は会ったことがありません。
リズム感は努力次第で向上できる!
リズム感は、人によってある程度最初に備わっているレベルの差はあります、運動神経の差のようなもので、これは仕方がないことです。
ただし、これは元々リズム感が悪い人でも努力によって伸ばすことができます。
陸上競技で言うと短距離走より長距離に近く短距離が元々凄く遅い人が必死の努力をしても残念ながら高い成績を出すのは難しいでしょうが、長距離は元々遅くても努力次第で一流になれると聞きます。
リズム感も同じようにリズムトレーニングを積み重ねることにより、リズム感を鍛えることができます。
明るい性格・おとなしい性格はリズム感とは関係ない!
リズム感が良い人というのは、なんとなくのイメージで性格が明るくノリが良くというイメージはありませんか?
しかし今まで数百人の初心者を見てきましたが、リズム感のポテンシャルというのは性格や雰囲気などの特徴で見分けることができず
いわゆるパリピと表現されるようなイケイケで明る人がリズム感が悪いことがあれば、非常にシャイでおとなしい人がリズム感が良い場合もあります。
もちろんその逆もあります、ここで何が言いたいかというと。
自分はリズム感が悪いと勝手に決めつけないことです。
学生時代のイケてないグループであったり、オタクだったりでリズムのようなノリの良いものとは疎遠の人生を送ってきたからといって、リズム感のポテンシャルが悪いとは限りません、もしここでマインドブロックしていれば非常にもったいないかと思います。
AKB48グループは全員ダンスができる=リズム感は努力でなんとかなる。
AKB48という女の子だ大量に所属するアイドルがいますが、系列のグループや乃木坂46なども含めると数百人規模の大所帯です。
彼女らはアイドルですので、歌・ダンスが主力なわけです、ダンスには特にリズム感はある程度必要で、それがなければ一気に下手に見えます。
歌はダンスと違い視覚的にはわからず、またレコーディングなどでは後で編集でなんとかなるため、リズム感は無くてもなんとかなります。
とはいえ歌・ダンスが上手すぎる集団というわけでもなく、むしろ素人が頑張って色々できるようになったというレベルの方が相応しいかもしれません。
しかし、一つだけ確実なのことはこの数百人が全員うまい下手はさておき全員がある程度ダンスはできているということです。
もちろん、オーディションではビジュアルやキャラクターなどを重視されているので、オーディションでリズム感のチェックはほぼしていないでしょう。
このことからリズム感が極端に悪い人というのは、一般的には非常に少ないということがわかります。
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