ドラムレッスンではセッティング・チューニングなども習うことを強くオススメします。

ドラムレッスンの通常のカリキュラムといえば「基礎練習」「応用したフレーズやパターン」「曲に合わせて叩く」などが基本的な初心者からのスタートになるでしょう。

しかしドラムを習う上で「セッティング・チューニング」などの機材調整に関しては習ったことが無い方もおられるかもしれません。

個人的にこれらの内容は非常に大切で、貴重なレッスン時間でも、あえてそれらのレクチャーの時間を割いても良いと思います。

 

セッティングやチューニングを「知っておいた方が良い人」と「知らなくても良い人」とは?

 

これらのノウハウですが、ドラムを習っているにも関わらず完全に不要な人がいます、それはレッスンの時間だけを楽しむ人です、ドラムを習う人には「バンドをやっている人」「これからやる人」「いつかやりたい人」「1人だがYouTubeとかにあげたい人」色々なスタンスの人がいますが、なかにはそういった目標が無くレッスン自体を楽しむというスタンスの人もいます。

このタイプの人であれば、外で活動の想定をする必要がないので、機材調整は講師に任せてしまっても良いのですが、逆に言えばそれ以外の人は絶対にこれらのノウハウがあったほうが良いでしょう。

具体的には、ライブに出る時には講師は普通はついてきません、その1人の状況で「ペダルが取れている」「ハイハットが踏んでも動かない」「スネアの音がオンにならない」などトラブルがあったら自分で対処しなければなりませんし、これらのトラブルはしょっちゅう起きます、むしろ全てが自分にとって快適な状態の方が少ないぐらいです。

スタジオはスタッフさんに頼るという手段もありますが、そもそも出来るだけ頼らない方が良いですが、それ以上にスタジオのスタッフさんもドラムに詳しいとは限らないので、100%の保証は無くやはり自分で出来るのが一番です。

僕も生徒さんから「ライブハウスのペダルが悪かった」「学校のドラムセットが全然ダメで…」というような話をよく聞きますが、内容によってはちょっとしたことで解決することが多く、彼らはその対処方法を知らなかったので、そういった話を聞いてはスマホで撮ってきてもらい「機材が壊れている or いない」から始まり、対処方法を伝えるようにしています。

 

ドラムセッティングの術、知っている知らないで練習内容が圧倒的に効率アップ、なぜセッティングを習うと良いか

 

まず大前提としてドラムのセッティングに正解というものはありません、世界中の素晴らしいドラマーのセッティングはそれぞれ違い、「似てる」はあっても千差万別です。

しかし「基本的にこうすると効率が良い」というような多くの人がやる基本系のセッティングはあったり逆に「誰がやってもこのセッティングは違う(物理的に手が届かないなど)」というような明らかにダメなセッティングはあります。

これを知っているか知らないかで成長スピードに雲泥の差が出ます。

 

 

 

崩れたセッティングで練習し続けるのは、空気の入っていないボールでサッカーの練習をするようなもの

 

崩れたドラムのセッティングで練習するというのは、非常にもったいないことで、ただ「知らなかった」だけでそれまでの練習時間が大幅ロスになるかもしれません。

例えるなら、ちょうどサッカーやバスケで空気の入ってないボールで練習をするような状態です。

この状態で練習を続けても健全ではありません

この記事の後半に「具体的なよくあるセッティングが崩れているケース」を紹介していきたいと思います。

 

ドラムのセッティングは、ドラムのブランドや品質のラングよりも大事!

 

世の中のドラムが上手い人で、毎回デタラメなセッティングのままで叩くドラマーを私は見たことがありません。

逆に言えばどんなに良い機材でもセッティングやチューニングを整えていなければ、研いでいない刀のように「斬れなければ意味がない」という状態でしょう。

世の中のドラマーで、この逆を提唱する人はまずいないと思います。

私の学生時代のバイブルである、かの村上”ポンタ”秀一さんの教材DVDでは、「セッティング」と「チューニング」に非常に長い時間のレクチャーをされておりますが、機材そのものブランドやランクは演奏には関係ないというは名言されています。

また、Ed Thigpen(エド・シグペン)というレジェンドジャズドラマーも、スタッフが本人用に用意したドラムと、お客さん用に用意した安いドラムの2台を用意したところ、お客さん用の安いドラムを「近かった」という理由で使用し素晴らしいプレイをしたという逸話もあります。

これらのことから、機材の品質(ランク)そのものは、さほど重要ではないということがわかります。

 

ドラムのチューニングの基本は知っておくべし!ドラムのチューニング “正解” は無い!

 

ドラムのチューニングは他の楽器に対して異質な点があり、それはチューニングなのに「ピッチ(音程)が存在しない」という点です。

それゆえに、セッティングと同様に「正解がない」という自由度が高いのがドラムの面白さであり難しさでもあります。

要するにドラムにおけるチューニングとは「良いと思う音にする」がドラムのチューニングです。

では「良いと思う音にする」という答えのないものに、習う必要性に矛盾を感じるかもしれませんが、ドラムのチューニングを習うのは「どこをどう調整すればどう変わる」というドラムという楽器の特徴を肌感覚で体験することに意味があります。

聞きかじった情報ではなく、この体験を繰り返すことで感覚的に好きな音に近づけるスピードが早くなり「自分の思う好きな音」「今からやる音楽にフィットすると思う音」など、臨機応変に音の調整ができるようになると、楽器のテクニックとは別のスキルですが、結果的に良い演奏に繋がります。

 

「できる」 or「できない」を知るのも大きなスキル

 

一般的なスタジオに完備されているドラムは、ドラムとして標準的でオールマイティに対応できるドラムが完備されていることが多く、ある程度好きな音にチューニングを変えたり、完全ではなくとも「それっぽい音」にしやすいことが多いのですが、

楽器によってはどんなにチューニングが上手い人でも物理的に不可能なことも往々にしてあります。

また、稀に楽器が壊れている時もあり、そういった要因でチューニング自体が不可能なこともあります。

つまり「チューニングでどこまでできるか」「その楽器で出せる音の種類」「壊れいるか否か」このようなポイントを抑えて把握できれば、スタジオ等でその場限りの楽器を使う場合でも、自分のイメージに近い音にすぐに調整することで、個人練習としてもバンドとしてもクオリティに雲泥の差が出ます。

 

セッティングやチューニングでよくあるトラブルの事例

 

ここからは実際によくある、よくあるトラブル事例を紹介します。

ドラムは打楽器ですので、物理的に衝撃を与え続けるという楽器の性質上トラブルは高頻度です。

具体的な対処法は文章や写真だけではなかなか伝わりづらいので、これらのことは講師に相談しましょう。

 

ペダルが外れている・ペダルの踏み心地がいつもと違う

 

バスドラムのペダルが外れている場面は非常に多く、体感値だとスタジオに入る3回に1回ぐらいの高頻繁でペダルが外れいます。

これはそれまでドラムを使っていた人が、自前のペダルをつけており、スタジオを出る際に戻していないというパターンが大半です。

これはモラル的に良くないかもしれませんが、言ってても仕方がなく、慣れれば10秒以内で装着できますので、くれぐれもスタジオのスタッフさんにクレームなど言わずに、自分が一瞬で装着できるノウハウを身につけましょう。

また、踏み心地が普段踏んでいる感覚と違うような、ペダルが妙な調整になっている時もあります。

これは主に「スプリングの調整」「ビーター(棒みたいなやつ)の長さが違う」が大半の要因です。

ペダルそのものが壊れていると言う経験は、これも感覚値ですが、今まで何千回とスタジオに入ってきても一度もありませんので、大半はこれらの調整で対処できるでしょう。

 

ハイハットの調整がいつものようにいかない。

 

ハイハットが「カチ!」っとキレ良く踏めず、ハイハット良い感じに踏めないことがよくあります、またそもそもハイハットのペダルが踏んでも動かないというトラブルがあります。

ハイハットのトラブルの大半の原因はハイハットの上(トップ)のシンバルを支えている「クラッチ」と呼ばれる器具が緩んでいることが原因であることが多いです。

ハイハットは他のスタンド類より若干ややこしく、なおかつハイハットはドラマーのほぼ全員が非常に多く使う重要な楽器ですので、ハイハットの構造は知っておきましょう。

 

スネアの音が変(イメージと違う)

 

スネアはドラムの顔となる楽器であり、チューニングは非常に重要でありつつもドラムの中でもチューニングの難易度が高い楽器です。

スネアが特殊な点として、両面のヘッド(皮)に加えて、裏面にスナッピと呼ばれる長細いバネが仕込まれています。

つまり表面のヘッドと裏面のヘッドに加え、スナッピの3点のバランスで音を調整していきますので、どうなったらどういう音になるかを把握するのに少し苦労します。

しかし、先述の通りスネアはドラムの顔なので、スネアの調整は確実に抑えていきましょう。

 

セッティングが全体的に変だが、何をどうすればいいかわからない。

 

スタジオに入るとドラムのセッティングがバラバラでとりあえず置いただけのような状態になっていることがあります。

素人目に見ればドラムに見えますが、ドラマーからすれば「確かにドラムではあるがこのセッティングはどういう状況…?」というような状況です。

※正直、この時の絶望感は凄いです。

これはそのスタジオに前に使用していた人が、外からドラム一式を持ち込み、撤収後に雑に現状復帰というパターンであったり、スタジオに人数が多かったりドラムは使わない場合に、ドラムを端に追いやり戻したなど、いずれにせよその場所から移動して戻したという状態です。

この場合は、普段当たり前すぎたドラムもバラバラだといつもの状態がどういう状態だったか思い出せないことが多いです。

もしこの状態で、1人で立ち往生なら素直にスタッフさんに頼るしかないでしょう。

しかし、次からの対策として普段使用しているドラムで最も叩きやすいセッティング時をスマホで写真を撮っておくと便利です。

あるいは、ドラムのカタログなどのしっかりしたドラムの画像を参考にすると良いです。

それを見ながらセッティングをし、機材の調整に徐々に慣れていきましょう。

上級者やプロドラマーは何かを見ることは無く、手際よくドラムのセッティングをします。

これは立派なドラムのスキルと言えるでしょう。

 

スタンドの調整を何をどうすれば良いかわからない。

 

スネアスタンドやシンバルスタンドの高さや向きを調整することは非常に多いと思います。

僕はスタジオに入ってスタンドを一切触らずそのまま叩くことは無く、少なからずこれらの調整は必ずします。

慣れていない方は何をどうすればどこが動くのかわからず、また、スタンドは重いので間違うと怪我をするかもしません。

しかし、ここを恐れて諦めてしまうと自分にはやりにくいセッティングのままドラムを叩くことになります。

さらにスタンド類はメーカーや用途によって一つ一つ構造が違うので、一個一個覚えるというのは非常に難しいのですが、基本的なスタンドの構造はほとんど同じです。

個人的な解決策は“慣れ”しかありません、メモなどして覚えるよりとにかく数をこなすことが重要だと思います。

慣れてくると、理屈抜きに頭で考えずに無意識に高さや向きを調整できるようになっていると思います。

ちなみに、譜面台やカメラ三脚やキャンプグッツの一部など、三脚の形をしたものの構造は基本的には一貫しているので、ドラム以外のこれらのスタンドに慣れている人はすぐに覚えます。

【まとめ】ドラムのセッティング・チューニングはとにかく場数、どんどん教わり触りましょう。

ドラムの上手い人で、セッティング・チューニングは不得手な人を見たことがありません。

講師のいない時にドラムがいつもの調子と違うという場面はいくらでもありますので

そんな時により良い環境でドラムができるように、こういったノウハウは非常に重要です。

そのために、とにかく“慣れ”が必要になりますので、積極的に触れるようにしましょう。

 

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

PAGE TOP Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.